心に残る感動シネマ

 
ニューシネマパラダイス
 CINEMA PARADISO (新天堂楽園)


この作品を初めて見たのは今から約10年ぐらい前だったと思います。残念ながら映画館

ではなくTVのロードショーでした。当時の感想としてはエンニオ・モリコーネの音楽が印象

に残ったぐらいで正直そんなにピンとこなかった映画だったと思っていました。       

でも名作は意外と第一印象がピンとこないものが多いと私は感じる。  

確かに最近の映画の技術的な面(CGを多様した映像など)はすばらしいのひとことにつきます。

でも映像の進歩に頼りすぎて肝心なストーリーや構成がおろそかな作品も少なからず存在することも事実です。

すべてにおいて時代の進歩にともなって忘れかけていたもの・・・・・・

それを思い出させてくれる映画がこの作品ではないでしょうか?



この映画のテーマは 「愛」 これほどまでに愛に満ちた作品は私はこれまで出会ってないと思います。

そして、これほどまでに印象深いフィナーレは今後も出会うことがないかもしれない。



30年ぶりに故郷へ帰国するトト。そこには時が流れても変わらない

あたたかい愛情にあふれていた。映画館が取り壊されるシーンではパラダイス座に

たずさわった人々の思い出まで壊されてしまうようで心が痛みました。

何と言ってもラストでトトが少年期にアルフレードと協定を結んだ品がこんな形で

表現されるのが、あまりにも悲しく、ノスタルジックで涙が止まりません。


この作品は、最初に公開された 編集版 と オリジナル完全版 とがあり

編集版はアルフレードが亡くなった通知を受けたトトが眠れない夜に少年期の思い出を回想する話。

オリジナル完全版はトトの人生そのものを振り返る恋愛を重点に置いた話だと私は感じました。

完全版では青年期のラブストーリーが多くかかわってくるのだが、青年期のストーリーが

だるく感じるかもしれないのは、少年期のインパクトがあまりにも強いせいなのかもしれない。

しかし「王女と兵士の話」の謎が解明されたり、なぜエレナと結ばれなかったのか

謎が解明され、編集版ではカットされていたもうひとつのストーリーがさらなる涙を誘う。

結果的にトトは複雑な心境に陥る現実とぶちあたることになってしまうのだが、過去には

戻れない切なさに、こういうフィナーレも許されるかな?と思いました。

編集版で想像の部分でしか解明されていない部分が完全版では曖昧な部分が

明確化されてしまっているところに賛否が分かれると思います。


しかしながら映画に対しての純粋なノスタルジーに浸りたい人には

青年期のラブストーリーがカットされた編集版のがお薦めなのは確かであり、

違和感を感じないトルナトーレ監督の編集のうまさも見逃せないところである。

どちらにしてもラストのシーンはエンニオ・モリコーネのすばらしい音楽の影響もあるが、

涙なしでは語れない。少年期の子役の演技もこの映画のはまり役だったが、

壮年期の俳優の演技にも注目してみたいところ。ラストの上映シーンを、ただ見ている

だけなのにあれほどすばらしい演技が出来るのは彼もまたはまり役であるからこそ

なせる業かもしれない。アルフレードのトトに対する愛情。映画に対する愛情。

あの映像と表情豊かな大人の演技、愛のテーマ曲と映像の絶妙なタイミング、

何度見ても忘れられない。感動的な名場面である



主人公以外のストーリーもこの映画の魅力である。

ひとつの映画黄金時代が終わりを告げ涙を流している館長

数々の出来事をなつかしむように思いにふけている助手

映画館で知り合い結ばれ赤ん坊を抱いて映画を見ていた夫婦

感動のあまり先にセリフを言ってしまうおじさん

広場を仕切っていた番人、映画館に潜り込んでは文句をたれていましたね。

アルフレードの葬儀に参列するなつかしい顔ぶれ・・・

30年ぶりに帰るトトの目にはどのように映ったのだろう。

身分の上下に関係なく映画好きの仲間が集まる唯一の娯楽場。そこには人それぞれの

パラダイス座への思いがあり、それぞれの出会いや別れ、思い出が存在していたのである。

 時代の進歩にともなってテレビやビデオが復旧しパラダイス座が取り壊されても

忘れてはならないもの 

それは人それぞれの心の中に残るその時代と共に生きた仲間たちとの

思い出と映画館や映画に対する愛情なのである。



「帰ってくるなよ!ノスタルジックに惑わされてはいけない!」

ローマに旅立つ時のアルフレードのこの言葉の深い意味、そして愛情に非常に心打たれました。

トトの将来、才能をすでにアルフレードは見抜いていたのですね。

トトの将来を見抜いていたアルフレードはあえて厳しいことを言うことで

進むべき 道 をトトにさしのべた

アルフレードがトトに対する深い深い愛情を感じました。



私はまだ人生を振り返る年ではないけど、年を取って過去を振り返る時期が来たら、

是非ともこの作品を映画館で見てみたいものです。

今現在とは違った感覚でこの映画作品を見る事が出来ると思ます。










海の上のピアニスト
THE LEGEND OF 1900 (海上鋼琴師)
 

ニューシネマパラダイスの監督、ジュゼッペ・トルナトーレが次に世に送り出したこの作品

心に染み入る忘れられない音楽、誰にでも1つや2つあると思います。海の上で産まれ 

陸に降りることなく生涯船の中で生活するというお話です。この映画のキーポイントとなる

のは世界でたった一枚しかないレコードとそれにまつわる恋愛エピソードです。主人公の

純粋すぎるほどの心に私は感動ました。    

 

生まれた時から船の上で過ごす主人公1900(ナインティーンハンドレッド)

子供のころからピアノと共に過ごしてきた彼はある日うわさを聞きつけた

ジャズを発明した天才ピアニストと対決することになりました。天才ピアニスト同士の

対決はこの映画の大きな見どころです。

1900はある女性に初めて恋をします。その心のこもったメロディーは

この映画を見た人の心にも響き渡ったのではないでしょうか?

実に純粋で愛情にあふれたメロディー。

一度聴いたら忘れられない曲ってこういう曲のこというのですかね?

エンニモ・モリコーネの曲には、やさしさの中にも力強さを感じる

激しさの中にも悲しみを感じる。そういう曲がこの映画を大きく引き立てている

のではないかと感じました。

 

ラストのシーンは泣けました。取り壊される何もない船の中でひとり

幼いころこっそり夜中ピアノを弾いていた曲を懐かしむかのように

ピアノのない空中でやさしく指で奏でるナインティーンハンドレット。

最後に見せた笑顔に彼は何を思い浮かべていたのであろうか・・・・








菊次郎の夏
 (菊次郎的夏天)
 

'ひと夏の思い出' という言葉が最も似合う、心あたたまる北野武監督作品

おばあちゃんと2人で暮らす正男。夏休みを利用してやくざあがりの菊次郎と

正男がお母さんを探しに会いに行くという話。菊次郎の不器用な生き方ながらも

正男に対してのやさしい対応が感動的でした。

正男の書いた夏休み帳を回想するかのよう進行していくストーリー

正男のつらい現実より数々の人々との出会い、ひと夏の思い出は

きっと一生忘れることはないであろう。そしてこの物語はタイトルのとおり

 ' 菊次郎 'の夏であると言う事も意表をつかれる。

 

北野作品のすごいと思うところは絶妙な ' 間 ' の取り方である。

この' 間 'をうまく利用して、感動、あるいは緊張感などを

持続させているところが、さすが お笑い出身 の北野武監督だと思った。




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